ゲームのローカライズ七転八倒!(2) ―プロの方は読まないでね!―
こんにちは。
前回からゲームのローカライズについて書かせていただいている、 ライズカンパニー代表の井手と申します。 前回のブログ記事はこちらです。
前回は無事にネイティブアプリ「覇王別姫」の契約締結に至りました。 あとは納品を受け、ゲームを立ち上げていくだけ……。 とA社は考えています。 さて、それは本当にそんなにうまくいくでしょうか?
今のところ、 A社は社内試算で、下記のような計画を立てています。
・イニシャルコスト
翻訳者:1人/月
サーバー費用:○万円
・運営コスト
運営:1人/月
さきほど、開発元であるB社からサーバーのセットアップが 完了した旨連絡がありました。 さて、いよいよゲームを動かしてみます。
Androidのapkファイルはすでに開発元より到着しているので、 端末にダウンロードするだけで動きます。 TestFrightを使い、iPhoneアプリも問題なく検証可能です。
◆一言メモ TestFright:iPhoneアプリを実機で検証する際によく使用されます
――ゲームは動いてはいるけど……あれ……?――
担当者を含めてアプリを起動してみました。 「覇王別姫」のタイトルが表示されます。
タイトルをタップするとゲームのメイン画面に遷移します。 メイン画面にはいくつかボタンが表示されていますが、 当然全て漢字です。「好友……?」翻訳者以外はよくわかりません。
A社の社長は「これは翻訳すればすぐ分かるようになるだろう?」と言います。 しかし、メニューは画像。翻訳者は翻訳はできますが、メニューのボタンは 日本語で作り直す必要がありました。
その後、あわてて調べなおしたA社ですが、 メニューボタンはかなりの数、画像で作られていることがわかりました。 もちろんより綺麗に作るためには画像として作る必要があります。 幸い開発元である台湾B社は、納品時に様々なドキュメントに加え、 画像データをpsd形式で納品してくれていました。 フォントのレイヤーを修正するだけで再度画像を生成することができます。
こうしてA社の工数見積もりには、デザイナーの工数が加わりました。 今のところはUIの画像差し替えだけで済むため、1人/月をイニシャルコストに 加えることにしたA社。
・イニシャルコスト
翻訳者:1人/月
デザイナー:1人/月
サーバー費用:○万円
・運営コスト
運営:1人/月
はてさて、これで「覇王別姫」は日本でサービスを立ち上げられるのか!? しかし、次回、怒涛の「KPIって何だ?」事件勃発! 次号に続く!
担当者を含めてアプリを…
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