インド人大社長は、なぜ私をもてなしたのか?

海外の企業と仕事をする面白さのひとつに、他国の文化を知ることがあります。時には、我々の想像を超える考え方を教えてもらえることがあり、本当にネタの宝庫です。

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上の写真は2013年に、インドのあるオフショア開発の会社を訪ねた時のものです。その辺のおにいちゃん達と思う事なかれ、従業員500人以上、世界中を顧客に持つソフトウェア開発の会社のCEO達です。顧客のリストも世界に冠たる大企業ばかり。

さて、この写真の彼らが何をしているかというと・・・我々を観光でどこに連れて行けばいいか相談中なんです(我々はそっちのけ)。かなり真剣です。しかも休みの日に。。。

この日だけではありません。

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この前日は、イギリス統治時に作られた競馬場に行って、会員制のレストランに連れて行ってくれたり・・・

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別の日も船で島まで行って

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仏像を見た後に・・・

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地元のインド人御用達のインド料理を食べさせてくれたり。

もちろん、これから一緒にパートナーとしてビジネスをしようというわけですから、接待するのは分かります。しかし、「現時点で私達ができること」と「もてなし具合」がどう考えても釣り合わない!彼らからすれば、私達に利用価値があるのは当然ですが、明らかにやり過ぎです。

もてなしぶりが余りに異常なので、競馬場のトラックの上で私は彼に聞きました。
「僕らは赤の他人だよ。どうしてここまで親切にするんだ?いくら何でも、ここまでしなくてもいいんじゃないか?」

その時の彼の答えは、私の想像をはるかに超えたものでした。

CEO:「ははは、いいんだよ。インドではね、ゲストが来るだろ?そのゲストはさ、姿を変えて現れた『神様』だって考えるんだよ。」
私:「へ?」
CEO:「だから僕にとって、君は神様なんだよ。神様をもてなすのに、理由はいらないだろ?」
私:「・・・(絶句)」

なるほど、彼が私を神だと思っているのなら、このもてなしぶりにも納得が行きます。そう考えれば、全力でもてなすのもおかしな話ではないか。。。

社内に飾られていた、ガネーシャ

社内に飾られていた、ガネーシャ

日本にも「お客様は神様です」ということばがありますが、全然違います。こんなぶっ飛んだ考え方、日本にいたら絶対に思いつきません。

インドには結局10日間ほど滞在しましたが、これまでの人生観をくつがえす体験がたくさんありました。またこのコラムでご紹介して行きたいと思います。

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